Word文書にPDFを入れる

本文の中で読む人にページを見せたいなら、ページを画像として書き出し、普通の図と同じように挿入します。元のファイルを手元で開ければよいだけなら、Wordの「オブジェクト」コマンドで埋め込み、説明付きのアイコンとして表示します。完成した文書をどのみちPDFにするなら、Wordは使わず、ファイルを末尾に追加します。

PDFのページを画像で書き出す

修士論文の付録と金曜の締め切り

山本さんは、thesis-draft.docxで修士論文の仕上げをしています。指導教員には金曜までに草稿を出す約束で、PDFしかない2つの付録も付けなければなりません。1つは大学の倫理審査委員会から届いた署名入りの2ページの承認通知ethics-approval.pdf、もう1つは38ページのインタビューのコードブックinterview-codebook.pdfです。コードブックは必要なときに参照する資料で、最初から最後まで読むものではありません。最終版は、あとで1つのPDFとして大学図書館に提出することになっています。

この2つのファイルは扱いを変える必要があります。審査員は署名を確認するので、承認通知は画面でも印刷でもページ上に見えていなければなりません。コードブックは、開ける状態になっていれば十分です。さらに最終提出はPDFなので、Wordの中にファイルを入れること自体を避ける3つ目の方法もあります。方法ごとに出来上がるものが違うため、同じ「PDFを入れたい」という依頼でも、結果は大きく変わります。

方法ごとに文書に残るもの

選ぶ前に、読む人が実際に何を受け取るかを見てください。山本さんが使った比較表です。

WordにPDFを入れる方法ごとに読む人が受け取るもの
方法Wordでの見え方印刷するとテキスト検索
ページの画像書き出したすべてのページが原寸で表示されます文書のほかの部分と同じように印刷されますできません。ページは画像です
埋め込みオブジェクト(プレビュー)通常は1ページ目の画像だけですその1ページだけですできません
埋め込みオブジェクト(アイコン)説明の付いた小さなアイコン。ダブルクリックでファイルが開きますアイコンだけですできません
「ファイル」>「開く」で変換レイアウトを組み直した編集可能なテキスト印刷できますが、間隔がずれることがありますできます
最終版のPDFに追加Wordには入りません。PDFの中で文書のあとにページが続きます元の品質で印刷されます元のファイルにテキストがある部分はできます

山本さんの答えは2つに分かれました。承認通知はページの画像、草稿のコードブックはアイコン、図書館に出す最終版は末尾への追加です。

本文の中にページを画像で見せる

PDFを画像に変換は、ブラウザーのタブの中でページを描画します。ファイルはどこにもアップロードされません。そのあとWordは、各ページを普通に挿入した写真と同じように扱います。

  1. ツールを開き、ethics-approval.pdfを選びます。ファイル名、ページ数、サイズが表示されるので、正しい文書を選んだか確認できます。
  2. 形式と解像度を決めます。最初はJPGの150 DPIが選ばれていて、写真が中心のページに向いています。小さな文字と署名がある通知なら、輪郭がくっきり残るPNGに切り替えてください。論文を印刷して製本するなら300 DPIを選び、96 DPIは画面でさっと読むだけのものに限ります。
  3. ページを選びます。初期設定は「すべてのページ」です。長いファイルの一部だけなら「ページを選択」を選び、2や1, 3-5のように入力します。
  4. 書き出してダウンロードします。各画像は開き直され、ピクセル寸法が選んだ解像度と合っているか確認されます。1ページなら、ethics-approval-page-001.pngのような1つのファイルになります。複数ページなら、順番を保った番号付きのファイルがethics-approval-images.zipにまとめられます。
  5. Wordで付録の見出しの下にカーソルを置き、「挿入」タブの「画像」コマンドで、画像を順番に追加します。各画像の横の「レイアウト オプション」を開いて「行内」を選ぶと、ページが浮かずに前後の文章と一緒に動きます。

A4のページを300 DPIで書き出すと2480×3508ピクセルになり、本文の幅よりずっと大きいので、Wordは余白に収まるように縮小します。それで問題ありません。余分なピクセルがあるからこそ、印刷しても署名やレターヘッドが鮮明に出ます。

ファイル全体をアイコンの奥に置く

コードブックについては、草稿の中に開く入り口があれば足ります。Windows版のWordでは、「挿入」タブを開き、「テキスト」グループの「オブジェクト」を選びます。「ファイルから作成」タブでinterview-codebook.pdfを参照し、文書の中に完全なコピーが入るよう「ファイルにリンク」はオフのままにして、「アイコンで表示」をオンにします。「アイコンの変更」を使えば、アイコンの下のファイル名を「付録D:インタビューのコードブック(PDF、38ページ)」のような説明に変えられます。Mac版のWordにも「オブジェクト」コマンドはありますが、ダイアログの構成が異なります。

埋め込んだコピーの分だけ、.docxはおよそそのサイズぶん大きくなります。38ページのスキャンしたコードブックなら数MBになることも珍しくないので、文書をメールで送るなら、先に圧縮ツールにかけてください。アイコンで表示しない場合、Wordは通常1ページ目のプレビューを表示し、読む人はそれを文書の全体だと勘違いしがちです。

最終版がPDFなら、入れ込まずに末尾へ追加する

山本さんの図書館への提出のように、行き先がPDFなら、Wordの中のアイコンは役に立ちません。文書を書き出した時点で何の働きもしなくなるからです。Word文書のコピーをPDFとして保存し、結合ツールで論文、承認通知、コードブックの順に付録と結合してください。追加したページは元の品質を保ち、元のファイルで選択できたテキストは選択できるままです。

確認したい点が2つあります。PDFの書き出しでWordの見出しからしおりが作られていた場合、結合ツールは処理の前に、それが新しいファイルに引き継がれないかもしれないと知らせます。また、Wordのページ番号は論文の終わりで止まるので、付録はもとのページ番号のままです。書き出しの側については、複数のWordファイルを1つのPDFにまとめるガイドで詳しく説明しています。

ほかの人の画面で起きる問題

Wordや作成者に頼るほうがよい場合

PDFに書かれた内容そのものを編集したいなら、画像もオブジェクトも役に立ちません。Wordは多くのPDFを直接開いて編集可能なテキストに変換できますが、レイアウトは組み直されます。PDFをWordに変換するガイドで、ブラウザーでの変換と比べています。同僚がWordファイルからPDFを作ったのなら、.docxをもらい、スタイルを保ったまま内容をコピーするのが一番早いことも多いです。

Web版のWordとスマホのアプリには「オブジェクト」の完全なダイアログがないので、オンラインで共有する文書では、ページの画像か、ファイルへの普通のリンクのほうがうまくいきます。また、所属先が患者の記録や人事書類にWebツールを使うことを禁じていても、「オブジェクト」の方法ならWord以外に何も必要ありません。表計算版の作業は、ExcelにPDFを入れる方法を参照してください。

Word文書のPDFについての簡単な質問と答え

長いPDFの1ページだけを挿入できますか?
はい、画像としてなら可能です。ページの選択でそのページだけを書き出し、画像を挿入します。埋め込みオブジェクトは常にファイル全体を含みます。
PDFのページは文書と一緒に印刷されますか?
ページの画像は、ほかの内容と同じように印刷されます。アイコンで表示したオブジェクトはアイコンだけが、プレビューのオブジェクトは1ページ目だけが印刷されます。
Wordの検索で、挿入したPDFのテキストを探せますか?
いいえ。画像と埋め込みオブジェクトの中は検索の対象になりません。検索できるのは、Wordのテキストに変換したPDFか、PDFリーダーで開いた元のファイルだけです。
Mac版のWordでもできますか?
書き出しはブラウザーで行うので、画像の方法はどのシステムでも同じように使えます。Mac版のWordにも「オブジェクト」コマンドがありますが、ダイアログの配置はWindows版と異なります。

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