PDFをZIPにするべきか:ZIPにできること、できないこと
多くのファイルを1つのパッケージにまとめたい、ファイル名を保ちたい、フォルダをそのまま渡したい。そんなときはPDFをZIPにします。ファイルを小さくする目的でZIPにするのはやめましょう。PDFの中身は書き出す時点で圧縮されているので、ZIPにしてもほとんど減りません。サイズの上限に収めたいなら、PDFそのものを圧縮します。
税理士に送る領収書23件
山本さんは小さなデザイン事務所を営んでいて、毎年1月になると税理士から1年分の書類を求められます。2026-expensesというフォルダには、仕入れ先からダウンロードした請求書、スキャンした電車の切符が何枚か、カード会社の9MBの利用明細書など、23のPDFが入っています。フォルダの重さは約18MBで、税理士のメールボックスは15MBを超えるメールを受け付けません。
そこで山本さんはフォルダを右クリックしてZIPを作り、上限を大きく下回るだろうと期待します。ところができあがったZIPはフォルダとほとんど変わらない大きさで、メールはやはり戻ってきてしまい、ZIPのソフトが壊れているのかと首をかしげます。壊れてはいません。まとめるためのツールに縮める仕事を頼んだだけで、この2つは別の問題で、解決策も別なのです。
ZIPがPDFに実際にすること
ZIPファイルは入れ物です。ファイルのコピー、その名前、フォルダの構成を収め、1つずつに汎用の圧縮をかけます。この圧縮は繰り返し現れるパターンを見つけて容量を減らすもので、プレーンテキスト、表計算ファイル、ログにはとてもよく効きます。
PDFは、すでに同じような処理を経ています。ページの記述は圧縮されたストリームに収められ、写真やスキャンはたいていJPEGのデータです。JPEGは小さくするためにあえて細部を捨てています。残ったものはZIPの圧縮から見ると雑音のようなもので、雑音はそれ以上詰められません。JPEGや音楽ファイルを圧縮し直してもほとんど効果がないのはそのためで、山本さんのZIPが重いままだったのも同じ理由です。ただしZIPは可逆です。解凍すれば、どのPDFも元のファイルとバイト単位でまったく同じです。
本当の問題に合った解決策を選ぶ
ZIPに手を伸ばす人の多くは、次の5つのうちどれかに困っています。それぞれに、もっと合う方法があります。
| 実際の問題 | よりよい方法 | 使うもの |
|---|---|---|
| 添付ファイルが多すぎるが、ファイルは別々のままにしたい | ZIPにまとめる | OSに標準で備わっている圧縮機能 |
| 読む人に順番どおりに目を通してほしい | 1つのPDFに結合する | PDFを結合 |
| メールボックスやフォームのサイズ上限を超えている | PDFを目標サイズまで縮める | PDFを圧縮 |
| 巨大なファイルが1つあり、相手は部分ごとに必要としている | いくつかの部分に分ける | PDFを分割。分けた部分を1つのZIPとして保存することもできます |
| 特定の人だけに開いてほしい | PDFそのものにパスワードを設定する | PDFにパスワードを設定 |
山本さんのケースは1行目と3行目の組み合わせです。23のファイルは別々のまま、しかも軽くする必要があります。解決策は、まず重いPDFを縮めてから、フォルダをZIPにすることです。
PDFGymで重いファイルを縮めてからZIPにする
- フォルダをサイズ順に並べ、重さの元になっているファイルを見つけます。山本さんのフォルダでは、カードの利用明細書とスキャンした切符がほとんどを占めています。
- PDFを圧縮を開き、いちばん重いファイルを選びます。何もアップロードされず、ファイルはブラウザーのタブ内で開きます。
- 1MBなどのプリセットを選ぶか、KBかMBで正確な上限を入力します。
- 「圧縮する」を押し、判定を読みます。最終サイズ、どれだけ減ったか、元のファイルと並べたプレビューが表示されます。選択できた文字は選択できるまま残り、どの候補も提示される前に元のファイルと照合されます。
- 名前が「-compressed」で終わる結果をダウンロードし、元のファイルの代わりにフォルダへ入れます。次の重いファイルでも同じことを繰り返します。
- フォルダが余裕を持って上限を下回ったら、下で説明するOSの標準機能でZIPにします。
手持ちの環境でZIPを作る
今のOSなら、追加のソフトは要りません。メニューの表記はバージョンによって異なるので、「圧縮」や「ZIP」という言葉を探してください。
- Windows:ファイルやフォルダを右クリックし、ZIP形式に圧縮する項目を探します。Windows 10などの古いバージョンでは、送信先を選ぶサブメニュー内のZIPフォルダーを作成する項目にあります。
- macOS:Finderで選択した項目をControlキーを押しながらクリックし、ファイルを圧縮する項目を選びます。複数のファイルをまとめて圧縮すると「アーカイブ.zip」という名前のファイルになるので、名前を変えてください。
- iPhoneとiPad:「ファイル」Appでファイルやフォルダを長押しし、ファイルを圧縮する項目を選びます。
- Android:ファイル管理アプリによって異なります。ファイルを選択し、メニューで圧縮やZIPの項目を探してください。
ZIPには中身と持ち主がわかる名前を付けます。たとえばyamamoto-design-keihi-2026.zipのようにします。相手には、添付ファイルの一覧でその名前しか見えないからです。
ZIPでよくある失敗と、それぞれの直し方
- サイズ上限を突破するためにZIPにする。ほとんど減りません。PDFを縮めるか、フォルダのリンクを送ってください。
- ZIPのパスワードでファイルを守れると思い込む。WindowsやmacOSに標準で備わっているZIP機能ではパスワードを付けられず、古いZIPの暗号化は強度が低いものです。誰が文書を開けるかを管理したいなら、PDFそのものにパスワードを設定してください。
- 会社のメールボックスにZIPを送る。ZIPはマルウェアを隠すよくある手段なので、企業のフィルターによって隔離されたり削除されたりすることがあります。先に確認するか、PDFを直接添付してください。
- ZIPにしてから圧縮する。PDFのツールはZIPの中まで手が届きません。先に縮め、それからZIPにします。
- ZIPの中にZIPを入れる。入れ子にしても何も得られず、解凍する人を困らせるだけです。1階層で十分です。
ZIPも添付ファイルも向かない場合
圧縮してもフォルダがまだ大きすぎるなら、添付ファイルという手段が合っていません。ファイルをクラウドのフォルダに入れてリンクを送ってください。アクセス権の設定はPDFをリンクで送るガイドで説明しています。相手がPDFしか受け付けない申請サイトにアップロードするなら、ZIPはそのまま拒否されるので、結合するか縮めてください。
また、IT部門がZIPやファイル共有について規則を定めているなら、抜け道を探さずにそれに従ってください。税理士や顧客が安全なアップロードページを用意していて、サイズの問題をまるごと解決してくれることもあります。
PDFのZIP化のよくある質問
- ZIPにすれば、PDFをメールの上限に収められますか?
- ほんのわずかしか減らないことがほとんどです。PDFの中身はすでに圧縮されているので、ZIPが取り除ける部分はほとんど残っていません。代わりにPDFを目標サイズまで圧縮してください。
- ZIPにするとPDFが変わったり壊れたりしますか?
- しません。ZIPの圧縮は可逆なので、解凍したPDFはまとめたときのPDFとまったく同じです。
- 相手はスマホでZIPを開けますか?
- たいていは開けます。iPhoneでは「ファイル」AppでZIPをタップすると解凍されます。Androidではほとんどのファイル管理アプリで開けますが、手順はアプリによって異なります。
- PDFを分割で作るZIPは、自分で作るZIPと違いますか?
- 違いません。部分ごとのPDFを1つずつ収めた標準的なZIPで、同じ標準機能で開けます。
まずPDFを縮める
圧縮はこのブラウザーのタブ内で行われるので、PDFはアップロードされません。どの候補もダウンロードが表示される前に検証され、すでに目標を下回っているファイルは変更されずにそのまま戻ります。
PDFを圧縮PDFを送る・縮めるほかの方法
- PDFを圧縮 KBかMBで上限を決め、その下に収まる確認済みのファイルを受け取ります。
- PDFのファイルサイズを小さくする方法 PDFが重くなる原因と、縮めると何が変わるか。
- 2つのPDFを1通のメールで送る 2つの書類を、上限に収まる1つの添付ファイルにまとめます。
- PDFとWord Word、メール、ZIPなどのソフトとPDFを扱うガイド。