Wordファイルに署名を入れる
署名済みのコピーを返すなら、Word自体でファイルをPDFとして保存し、そのPDFに署名してください。レイアウトが固定されるので、署名は線の上から動かず、署名の周りの条項を誰かがこっそり書き換えることもできません。Wordの中で署名するのは、送り主がDOCXでの返送を求めている場合か、証明書による署名が必要でWindows版のWordを使っている場合だけです。
業務委託契約書が.docxで届いた
佐藤さんはフリーランスのUXデザイナーです。火曜日、クライアントの事務担当者から Consulting_Agreement_Hayashi.docx がメールで届きます。6ページで、「6ページ目に署名し、木曜日の午後5時までに返送してください」と添えられています。手元にはMicrosoft 365のWordが入ったMacBookがあり、プリンターも証明書もありません。
最初に考えるのは、自分が署名する側なのか、ほかの人に署名してもらう文書を用意する側なのかです。佐藤さんは署名する側で、メールにはWordファイルでの返送も、検証できる署名も求められていません。それなら、次に説明するPDFの方法が合っています。クライアントが署名する契約書を用意する立場なら、後半の項でその作業を扱います。
5つの方法の比較
| 方法 | 使える環境 | 相手が受け取るもの | 弱点 |
|---|---|---|---|
| 署名の画像をWordに挿入する | Windows、Mac、Web版のWord | 誰でも動かしたり削除したりできる画像の入ったDOCX | 別のパソコンで文章の流れが変わると位置がずれる |
| 「描画」タブで手書きする | 「描画」タブがあるWord。ペンかタッチ画面が最適 | 手書きの線が入ったDOCX | 画像と同じく編集できてしまう。トラックパッドの線は震えて見える |
| 署名欄に証明書で署名する | Windows版のWord | 検証できるデジタル署名の付いたDOCX | 証明書が必要。PDFのコピーには引き継がれない |
| WordからPDFを保存し、ブラウザーで署名する | ブラウザーのあるパソコンやスマホならどれでも | マークがページに描き込まれた、レイアウト固定のPDF | 証明書がないので、それを求める依頼には使えない |
| 送り主の電子署名リンク | 相手のサービスが動く環境ならどこでも | 相手のサービスが記録するもの | 相手が用意している場合にしか使えない |
WordからPDFを保存し、そのコピーに署名する
- Wordで「ファイル」メニューを開き、「コピーを保存」または「名前を付けて保存」を使って(「エクスポート」でも可)、ファイルの種類にPDFを選びます。佐藤さんは
Consulting_Agreement_Hayashi.pdfと名付けます。 - PDFを開いて確認します。6ページあること、署名欄が6ページ目に残っていること、変更履歴やコメントが余白に印刷されていないことを見ます。
- PDFに署名を開き、新しいPDFを選びます。
- トラックパッドで署名を描くか、インクで書いた署名の写真を「アップロード」で読み込みます。その際は「明るい紙の背景を除去する」にチェックを入れたままにします。
- 6ページ目に移動して「署名を配置」を使い、マークを線の上までドラッグします。続けて日付の項目の横に「日付を配置」で日付を置きます。どちらも文字の高さに収まるまで大きさを調整します。
- 「PDFにマークを追加」を選びます。ツールはコピーを開き直し、ページと選択可能なテキストを元と比べて、各マークが表示されていることを確認してからダウンロードを表示します。
- 結果を
Consulting_Agreement_Hayashi_signed.pdfとして保存し、返信に添付します。
なぜ別の場所で変換せずにWordから保存するのでしょうか。PDFGymのWordをPDFに変換は文字を優先する変換ツールで、見出し、段落、箇条書き、簡単な表は保ちますが、埋め込まれた画像とWordの正確なレイアウトは省きます。Wordのないパソコンで簡単な手紙を変換するには向いています。ロゴ、装飾された署名欄、意味のある改ページを含む契約書は、Word自体で保存してください。
送り主がWordファイルでの返送を求める場合
自分の記録に取り込むためなど、DOCXが必要な人もいます。その場合はWordの中で署名します。
- 画像:「挿入」から「画像」を選び、署名を切り抜いたPNGを選びます。「図の書式」タブで「文字列の折り返し」を「前面」にすると、段落を押し下げずに線の上に重ねられます。
- 手書き:「描画」タブでペンを選び、ページに直接署名します。スタイラスかタッチ画面を使うといちばんきれいです。
- 証明書:Windows版のWordには、「挿入」タブに「署名欄の追加」のコマンドがあります。その欄に証明書で署名すると、DOCXに本物のデジタル署名が付き、そのあとファイルを編集すると署名は無効になります。MacやWeb版のWordでは、画像かPDFの方法を選んでください。
依頼に適格な署名や検証できる署名と書かれているなら、どれかを選ぶ前に電子署名とデジタル署名の違いを読んでください。
ほかの人が署名するWordファイルを用意する
送る側になったら、署名欄がずれないように作りましょう。罫線のない2列の表が便利です。左に署名者の氏名と肩書き、右に日付を置き、下線を並べる代わりに各セルの下罫線を署名の線にします。最後の条項には段落の改ページ設定で次の段落と一緒に保持するオプションをオンにして、署名欄だけが次のページに取り残されないようにします。
そして、DOCXではなくPDFを送ります。署名者に名前や日付を枠に入力してもらうなら、入力可能なPDFを作成でその欄を追加してください。作れるのはテキスト、日付、チェックボックス、ドロップダウンの欄で、証明書署名の欄ではないので、署名そのものは署名用のツールで入れることになります。
署名したあとに出る問題と、その対処
- 相手の画面で署名が半行ほど上にずれている。相手のフォントでDOCXの文章の流れが変わりました。レイアウトが保たれるPDFを送ってください。
- 白い四角が線を隠している。画像に紙の背景が残っています。Wordでは透明なPNGを使うか、「PDFに署名」で明るい背景を除去してください。
- PDFから署名が消えた。文字優先の変換ツールが画像を落としました。WordからPDFを保存するか、変換したあとで署名を置いてください。
- PDFに証明書署名がない。DOCXに付けた署名はDOCXに残ります。PDFには別に署名してください。証明書による署名の準備を参照してください。
- ファイルの詳細に自分の名前が出る。Wordから保存したPDFには、たいてい作成者などのプロパティが入っています。プライバシーチェックでそれらを一覧し、選んだものを削除できます。
ブラウザーを使わないほうがよい場合
送り主から電子署名サービスのリンクを受け取ったなら、そこで署名してください。意味を持つのは相手の記録です。勤務先が証明書を発行している場合や、契約が適格署名を求めている場合は、IT部門が対応しているツールを使ってください。立会人や公証人が必要な文書には、ブラウザーのツールでは代わりのきかない形式上の決まりがあります。また、管理されたノートパソコンで顧客の文書にウェブツールを使うことを会社の方針が禁じているなら、「PDFに署名」がファイルをアップロードせずにタブの中で動くとしても、方針に従ってください。
Wordファイルへの署名についての短い回答
- スマホでWord文書に署名できますか?
- できます。Wordアプリでファイルを開き、PDFとして保存または書き出す機能を使います。そのあとスマホのブラウザーで「PDFに署名」を開き、指で署名を描きます。
- 署名欄を追加すれば、Word文書に拘束力が生まれますか?
- いいえ。署名欄は署名する場所の目印にすぎません。署名した文書が誰かを拘束するかどうかは、法律と合意の内容によるもので、弁護士に相談できます。
- 受け取った人は、署名済みのPDFから私の署名を取り除けますか?
- 「PDFに署名」は署名をページの内容に描き込むので、ドラッグで外すことはできません。ただし、PDF編集ソフトを持つ人ならページの内容を覆ったり変えたりはできるので、送ったものの控えを手元に残してください。
- 署名済みのPDFとWordファイルを一緒に送るべきですか?
- たいていはPDFだけで十分です。送り主がDOCXも求めていない限り、両方を送ると、どちらが正式かという疑問を招きます。
PDFのコピーに署名する
WordからPDFを保存し、このタブで署名を追加します。ファイルは端末から出ず、署名済みのコピーはダウンロードの前に確認されます。
PDFに署名関連するツールと署名のガイド
- PDFに署名 署名を描く、入力する、または読み込んで、Wordから保存したPDFに置きます。
- PDFへの署名方法 Mac、Windowsパソコン、スマホにもともと入っている署名の機能を紹介します。
- PDFに署名を追加する きれいな署名画像を作り、線の上にぴったり収めます。
- 署名 署名のガイドを、やりたいことごとにまとめています。